どうやって見込み客を探すか?⑧
■いろいろ研究してサメを売るようになったんですけど。鮫肝ポセイドン。売り方難しかった。
商売で一番難しいのは、どうやって売るか?
新聞の全五段に「鮫肝ポセイドン飲んでこうなりました!」体験談みたいなやつをね、見よう見まねで作って出しました。
1回50万かかるんです。でも5本しか電話ならないんです。一件あたりのコストは10万円です。
商品は12,000円でしたから、合わないですよね。
それを繰り返して、1年ぐらいそんなことやってましたけど、どうやっても反応がないんです、広告に。
どうやったらいいかなぁと思っていると、ちょうど、
※あなたが今の資金と経験で新たに出来ることは?
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ゼロから通販起業「皇潤」を230億で売却ウラ話 ⑦
■それで、どうやったらいいかなぁと思っていた時、新聞のラテ欄というテレビの番組がある所に一行だけ広告を載せたんです。「更年期110番」って。
電話がじゃんじゃん鳴るんですよ。やった。1年ぐらい色々やった経緯でやっと当たった。
お客さんは何が欲しいか?商品自体は欲しくないんですね。誰も。その商品がもたらすもの、飲んだ後の感じ、効果効能や気分。
何でもそうだと思うんですけど、車でもエンジンがどうのこうのでもないと思うんですよ。
乗っている自分と、それを見たときの雰囲気というか人から見られた時の優越感とかモテるとか。何かそういう複合的なものだと思うんですよ。
「更年期110番」って、効果効能、悩みのとこだけにして電話がじゃんじゃん鳴ったんです。
なるほど。やっぱりそうか。そこで、感情に刺激を与えるマーケティング手法を少し取り入れました。
あらゆるやり方を感情に訴えるように。
消費者がこれ見たらどう思うか?感じるか?
ということだけに集中して原稿を作る、チラシを作ることを続けました。
こうして「鮫肝ポセイドン」を売り始めて2年後、まだ当時は月100万円しか売れてなかったんですけど、サメ仕入先メーカーの社長が紹介してくれた気功の先生がいました。氣の。
「すごい先生やから」ということで昼食会へ行きました。印刷や旅館とかいろんな社長が。
まぁみんな悩んでるんです。いかに売上を上げるか?何かないかと。僕も1人でした。
その場で先生が「お前んとこ、ちょっと行ってみるわ」と後日、僕の会社にこられたんです。大平先生っていう人で、今でも付き合いがありますけども。
その時、会社には現金が2000万位しかなくて。
「会社をどうしたいの?」と言われたから「売り上げを上げたい」。「サメをいくら売りたいの?」と聞かれたから「500億売りたい」。
まだ月の売上100万円の時やけん「変わってるなぁ」ってな顔をされて。でも、何故か500億という数字が出たんですね。
ジャパンライフの時は「夢は月収500万円!」って言ってた。500が好きなんですね。多分。
「1000億!」って言っときゃ良かった。笑笑。
で、「500億!」って言ったら
「わかった。じゃあ300万、ここに振り込め」
2000万しかなかったもんね。そこから300万振り込めと。振り込んだんです。
ところが音沙汰ないんですよ、それから。振り込んでから。
※あなたの売れる広告、キャッチコピーは?
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⑧
■すると1ヵ月半ぐらいして、こんなボーリングみたいな大きな水晶が来たんですよ。ボク、水晶を300万で買ったんですね。笑笑。
宅急便の人が持ってきて、もう超重たいんですよ、30キロ近くあるから。25キロかな。
すぐ電話かかってきて「今からそっちに行くから」。東京の人だったんですけど、次の日に来られて、こういう話をしたんです。
不思議なんですよ。それが。
「この水晶にエネルギーを全部入れた。500億達成するエネルギーを全部入れた」と。
まぁ、眉唾ですよね。笑笑。
でもね。なんかそういう素直さがあるんですよ。まぁ信じてみようって、どっち道なくなるお金ですもん。2000万がね、毎月減ってるんですから。
毎月200万ずつ赤字でしたから、10ヶ月しか持たないんですよ。それが9ヶ月になっただけですから。先に300万払って。
で、それを信じて。こう仰ったね、その先生は。
「あらゆるものが変わり始めます。それから、あなたの頭の上に、ずっと宇宙からエネルギーが来ます。
だから、不思議なことが起こりますからね。
どんどんどんどん変わりますよ」
「わかりました」
でも信じてないんです。その辺は。??です。
※当時の顧問税理士緒方さんから「あの頃の井さんはいつも水晶玉を拝んでた。パワーをもらうんだと」
「今、幾ら売れてんの?月100万か。仕入れはどこ?あそこか。じゃあ仕入れ1000万円にしろ」と。
またあのビデオ屋さんの時とおんなじ。仕入れを増やせと。ほんと重なるんです。そういうの。
「1000万円?先生。そんな難しいです。1000万円仕入れたら、もうお金が無くなります」と僕が言うと
「お前、覚悟すると言ったよな」と押し問答。
で、あのビデオの時と同じ。
「先生、時間ください。1年かけて、徐々に仕入れを増やします。1000万円に」
「まぁいい。それで交渉しろ。メーカーと。安くする、原価を下げる交渉。ここまで仕入れたら、いくらにするという交渉までしてこい」
そしたらね。不思議でしたねぇ。今まで100万円しか売れてないから、30%ぐらいの卸値だったんです。当時ね。売上100万円に対して仕入原価は30万円。
それが1000万円仕入れたら、上代、小売価格で3億円分ぐらいになった。※仕入原価3%ちょっと。
じゃぁ、それを売るために、
1000万円仕入れるために、
3億売るための方法が頭の中に
グラグラグラグラ出てきたんです。
今のやり方は捨てなくちゃいけない。ってなった。
捨てると決めたんです。今までのやり方。
で、いろいろ手を出すようになったんです。
で、たまたま、、、
※今も井さんの事務所には水晶玉が3-4個ありますw
※あなたは怪しい精神系で何か買いました?
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「皇潤」を230億で売却。今だから話せる黒歴史 ⑨
■こういう経緯で、売上を今の10倍にするには、今のやり方じゃダメだ。捨てると決めたんです。今までのやり方は。新しいいろんな販促にトライしてみました。
たまたま飛び込みで来た営業マンが「ウチのカタログ通販雑誌に、オタクのチラシを同梱しませんか?」と売り込みに。中高年、シニア向けに送るカタログ雑誌への同梱チラシ営業でした。
それも行こう。試してみよう。
これがドカン!と当たったんです。もうチラシの内容は激しいこと書くんですよ。薬事法は無視。笑笑。同梱チラシですから。ほぼ無視しました。
※テレビや新聞に比べると同梱チラシは目立たない。消費者センターや公取にバレにくい。笑笑。この辺の嫌われる勇気というか違法犯罪スレスレヘッチャラ精神が凄い。ヤバい。この手の起業家は。まあ2000年頃はチェックも緩かった。全てが緩かった。今は「ガンが治る!」とかチラシは見つかったら一発逮捕。が、パソコン販売のソフマップが最初に当たったのは、朝日新聞が「これは著作権違反では?」と報道した中古パソコンソフトのレンタル業。グレーゾーンはチャンス。大手エリートは手を出さないから。by 栢野談
さっき言った、当たったキャッチコピー「更年期110番」じゃないですけど、チラシで反応を出すノウハウ、感情に訴える文章手法がだいぶできていました。見た感じとか印象とか。他社のチラシよりもはるかに効果が出ました。
当時、栢野さんに作ってもらった求人広告も遥かにイイ内容でしたね。同梱チラシもドーン!と結果が出たんです。
そして、月100万円の売上が3ヶ月後に1000万円になったんです。4-5ヶ月目には2000万円に。
もっともっと伸ばせるなと思ったらその矢先、チラシを同梱してた通販カタログ会社が潰れたんです。せっかくつかんだ販売チャンネルでしたが。
困ったなぁ。やっと上手く行きだしたのに。ドーン!と。ほかは、まだ新聞もチラシも反応が全然ダメ。同梱チラシだけ。当たったのは。
困ったな。また何かしないとイカンと思った時、「アサヒ緑健」っていう青汁通販がちょうど出てきたんです。アサヒ緑健の古賀社長っていうのは、友達の友達だったんです。聞いたら50億売ってるって言うんです。うっそー?!うっそー!?
それで聞いた。「何やって売上伸ばしてるの?」「テレビ通販やってる」って。で、テレビ見て。
通販やってる映像は全部撮らせました。大広っていう広告代理店に。
なぜ当たってるのか?ノウハウを探ろうと、アサヒ緑健のテレビ通販CMの映像を全部見たんです。
ここで、レンタルビデオ屋やってた時に培ったノウハウが活きたんですね。
レンタルビデオを貸すときに僕、全部見たんです。ビデオの映像を。そしてイイやつしか勧めてないから、お客さん増えたんです。「あなたにはこれがイイですね」と薦めたらバッチリ売れるんです。事前に見てますから。
そしてアサヒ緑健のいろんなテレビCM番組を見た結果、心に刺さるやつが1つだけあったんです。あとは全部駄作。こんなんでよく売れるなと。聞けばやっぱりダメだったね。
でも、1本だけ引っかかる奴があったんです。これに限りなく近いテレビ通販番組CMを作ろう。ウチの鮫肝健康食品ポセイドンの。
問題は、サメをどうやって表現するか?
※あなたはライバルの成功ノウハウ調べました?
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「皇潤」の会社を230億で売却。そのウラ話 ⑩
■テレビ通販で当時50億と大成功してたアサヒ緑健のインフォマーシャル映像を全部チェック。1本だけ引っかかるイイ奴があったんです。
これをパクろう。限りなく近くサメ肝健食のテレビ番組作ろう。じゃあ、サメをどうやって表現するか。
だってサメ飲んでも、、健康食品、飲んだことあるでしょう?飲んだら、どうにかなります?笑笑。
まぁ失礼な言い方やけど、効いたような気がする「だけ」でしょ?はっきりわかってほしいわけ。飲んだらこうなったと言うやつ。タレントが「私、元気になりました!」って嘘くさいし。
当時、マイクロスコープを使って、飲んだら血液サラサラ流れるやつ。あれ、僕が最初に作ったんです。うちの社員と話して。村岡さんという社員と。
「ちょっと引っ張って来い」ってその機械。
すると飲んで、飲んですぐですよ。血液サラサラっと流れるんです。それが映像で見える。これしかないと。
それを流したんです。テレビに。
爆発したんです。
だから表現の仕方では、ちょっと薬事法もあるんですけど、そういうのを探して探して探して。研究して研究して。
お客さんの琴線に触れる方法を見つけ出した。それが最初の大ヒットになった。
※血液サラサラWikiに詳細。悪用逮捕事例も
最初はスカパーの通販番組「モールオブTV」でやりました。CMやった人はわかると思うんですけども、メディアレーションってご存知ですか?メディアにかけたお金に対し、いくら売れるかってやつですね。
新聞で50万円かけた時に6万円しか売れなかった時がありましたけど、これは50分の6ですよね。50万円かけて50万円売れると1.0です。メディアレーション1.0。
僕が作った時は5.0だったんです。500万円かけたら2500万円売れた。
元を遥かにとって、顧客データがズバーっと集まって「行くぞー!」となったんです。
当時代理店4社あったんですけど、その人たちに全部等配分配して。
売れましたね。
※あなたの「売れた!」「当たった!」経験は?
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「皇潤」の会社を230億で売却。過激なウラ話 11
■じゃあ次はCSに行こう!地上波にも進出するとき、大広の人が「こういうCMは考査が取りにくい」「審査の問題がある」「表現がちょっと過激過ぎます」と。
「通してよ」といっても通してくれないんです。結局、地上波は「その映像」が使えなくて。
せっかく売れるパターンが見つかったんだけど、今度はそういうハードルが出て。
大体ここで諦めるんですけど、違う映像も作った。
優秀?なCM制作者を大広が連れてきて、製作費2000万円も取られた。
結果はメディアレーション0.3です。
もう大広を叱りつけました。「責任とってくれ。お前らが作ったやつで売れない!大赤字だ」と。
でもまぁ、やりとりしてる間にどうしようかと考えたんですけど、薬事法っていうのは商品があるから薬事法で、商品がなければ薬事法はないんです。なぜかって、それはただの情報ですから。
じゃあ、当たったあの番組映像を使って、商品を出さないようにしよう。サメのカプセルを出すと商品やけん、鮫の肝油も液体にして漁師が飲むように。
かけたトマトを食べるだけですから。製品になってない。薬事法ないんですよ。
「大丈夫?」って聞いたら「考査、通るかもしれませんね」と結局、流したんです。
初めてです。通販で商品出さずに番組を作って。
白衣を着た元九大名誉教授が、「サメの肝には効果が認められる。普通は肝は手に入らないが、健康食品として提供している会社もある」
そしたら、また電話がジャンジャン鳴るんです。
電話とって「あの〜ウチはないんですよ。商品が。あるところを紹介します」と一旦切って。
こっちで電話するんですね。「エバーライフって会社があります」と笑笑。でも完全に会社を分離して。財団法人とか一般社団かな。「健康増進研究会」なんたらとか。
そこが流してる情報番組ですよ。そこが教えてくれる会社がたまたまウチ。笑笑。
で、ウチだけ紹介だとちょっとイカンから、あと数社、青汁とかの健食会社を用意しました。そのうちの1つが、すごい売り上げのエバーライフ。
それ引っかからないんですよ。バイブル商法でもない情報番組。今はやっていないと思います。ギリギリだと思います。ギリギリ。情報番組でセーフです。関与の仕方だけです。
よくあるじゃないですか。情報番組。テルモがやってる朝の番組とかね。健康にイイ情報を流すだけ。あーゆーのは全然問題ないでしょう。アレと一緒のやつですから。CMは入れませんし。
■そこで、まぁ僕が考えたのは、お客さんがこう、感情が入る作り方。ここだけに集中するよと、まぁ社員にも言って。どうやったらお客さんが感情移入できるか。表現力の勝負。
これがね、世の中でマーケティングできる人が少ない。ほぼいない。見よう見まねでやってるけど。
やずやの、あの当時は専務だったかな、あの方が優れていたね。それからジモスにいた女性の、あのチラシに書く人ね。田中さんと言う人だったかなぁ。すごく優秀な人でした。
日本にも何人かしかいません。通販で、その表現ができる人は。田中さんは今、独立してやられてますけど。まぁすごくそーゆー表現だけを一生懸命作って。
で、売り上げはご存知の通り、エバーライフ「鮫肝ポセイドン」を発売して、年間売り上げ1年目20億、2年目40億、65億、130、180、206、230億。
サメで65億まで。※その後は皇潤
そのお金を使って次の商品を開発したんですけど、また水晶の大平先生が出てくるんです。そこで。
大平先生が「お前どうだ?」「先生のおかげでうまくいきました」「そうだろう〜!」なんて。笑笑。
「そうかよかったなぁ。よかったよかった。ところで、ちょっとお前、これ見てみらんか」と、手に出されたのが、、、
※あなたの業界に眠るグレーゾーン商品は?
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※上の話は今ならたぶん薬事法違反です。が、例えば「酢で痩せます」「酢は健康にイイです」だと前者が3-5倍売れます。このギリギリで熊本「えがお」は公取から処分受けました。まあ100億以上はどこも一度は処分されてるトンデモ業界ですw だからチャンスも。
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「皇潤」の会社を230億円で売却。過激なウラ話12
■「鮫肝ポセイドン」で売上65億まで行きました。そのお金を使って次の商品を開発したんですけど、また例の大平先生が出てくるんです。そこで。
「お前、その後どうだ?」
「いや、先生のおかげでうまくいきました」
「そうだろう〜!よかったなぁ。ところで、これ見てみらんか?」
手に出されたのが、ヒアルロン酸の錠剤でした。大平先生が持ってきたんです。
「なんですか?それ」
「いや、わかんないんだけどなぁ、もらったんだよ。わかるのはね、エネルギーがあるんだよね。これに」
その先生は、嘘を言わない人ですから。
「これなんかいいんだよね、試してみろ」
「先生。これ何粒かもらったってしょうがないですよ。もらった人、メーカーの社長とか教えてください」
「じゃあ言っとくよ」
と、それで岐阜の人に会わせていただくことになりまして。で会ってみるとその人、マルチ商法の社長だったんです。以前ボクがやってた羽毛布団ジャパンライフと同じく、またマルチw
「先生、マルチ販売の社長じゃなく、商品作った大元のメーカー社長を教えてください」
「わかった。じゃあ」とその社長に運転させて、山奥の工場に行って初めて会いました。あーこういうもんかと。
それが「皇潤」の原型商品でした。
そのメーカーとOEM供給先では、いろんな名前やパターンで売ってました。「ヤングライフ」とか「美肌美人」とか肌に良いという方面で。
で、メーカーの社長といろいろ何時間か話。
「他に効能とかないんですか?」
「肌にはいいし、女性の子宮にはいいんだぞー」「子宮は水分が必要なとこで、水分が溜まるところですよね。肌もそうだし」
「他に効用はないんですか?」
「まぁ、関節とかもいいなぁ」
そこがピンときたんですよ。うちの母親が膝が悪かったんで。
「膝がいいんですか?」
「膝もいいと思うよ」
そう聞いて会社に帰って。これ次の商品にしようと思うけどって社員に言うと、やっぱり肌用の化粧品系で売りたがった。みんなが。ヒアルロン酸は元々肌用の成分ですから。
俺は膝が来ると思った。でも?売れるかどうかわかんないですね。
じゃぁ、チラシで決めようかと。どっちが売れるか。同じ10万枚ずつ撒いて、こっちは完全に肌メインの商品、こっちは膝に良いと言う、まぁ薬事法にも触れずに。
どっちがいいか、反応だけ見たいわけです。結果出れば社員も文句ないだろうと。僕も負ければそっちに行くと。経営判断ですから。まあでも絶対、膝に決まっとるやんと思って。
やったら、やっぱり膝が圧倒的に多かった。8対2位でしたね。それで決定。「膝が潤う」ほうがいいよな、で、ネーミングが「皇潤」。
皇帝の皇は高く売りたいから皇。皇帝の皇をつけたら高く売れそうな気がしたんです。笑笑。
皇帝が潤うんです。そうそういうイメージ。パッケージもゴールドだな。ものすごい単純。
こうして「皇潤」を発売しました。
※あなたの商品はどうやって見つけました?
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「皇潤」の会社を230億円で売却。ヤバいウラ話 13
■「皇潤」は最初から地上波で行きました。それまでやってきた感情に訴える手法でしたけど、皇潤はやりやすかった。何故かと言うと、元気になるとかそんなんじゃない。痛みが取れるやつだから。膝の痛い人は階段が辛いんです。階段をね、パパパパ。パパパパパっと降りさせる。階段降りるとき特に痛い。
映像ばっかり流したんです。「上がれなかったのよ」と言う人が、パパパパ。パパパパっと階段を上る。もうこれだけ。もう膝の痛い人には1番。
■実際の効果はどうなんですか?
抜群にありました。内容成分で言うと、もちろんヒアルロン酸もあるんですけど、ビタミンB12。これ効果あるんです。ビタミンB12。
これはね、鎮痛効果もすごくあるんです。先にこれが効くんですね。痛みに。そして、皇潤のヒアルロン酸が少しずつ入ってきて。
だから、早い人はもう次の日に実感する。痛みが消えるんですから。
だからベストセラーになったんです。膝のマーケットではサプリは存在していませんでした。当時。ほとんど。
コンドロイチン(ゼリア製薬)がちょっとあったけど、マーケティングへたくそで、売れてなかった。
僕はマーケティングが得意だったんで、その表現をして。ダー!と一気に売れました。そしてリピート率がサメよりも高かったです。何倍も。
何故かと言うと、やめると痛いんですまた。だから、「やっぱり、これ効いてる」となるんです。
僕も今でも飲みますよ。普通は痛くないんですけど、何かの拍子で痛くなるときが。ちょっと調子悪いときに飲むんです。効果あるんです。
今、商品が少し変わったかもしれません。経営者が変わって、少しいじったかもしれません。最近効果が薄いって聞くんです。
僕のところにこられてもね。笑笑。もう売ってないし。うちの親父も飲んでますから。前のは抜群によかったです。
途中から効果が落ちたって?なんで成分変えたのかがよくわかんないんですよねー。
まぁ原価の問題とかなんとかに行ったんでしょうねぇ。それは顧客ないがしろにでしょ。今はわかんないですよ、それ何年か前の記事でしたから。でも戻ってないと思います。
最近聞きますので、あまり効かないよと。うちの嫁さんにも「最近、効かないよね」って言われた。笑笑
まぁそういう感じで会社が成長していきました。
この辺まで皆さん大体お分かりになりましたかね。ノウハウがすごく大事で、それは非常にマーケティングっていうのもそうだったんですけど。
それから電話で営業する方法、
※あなたはどんな広告宣伝してますか?
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「皇潤」の会社を230億円で売却。ヤバいウラ話14
■それから電話で営業する方法
こうしてエバーライフが売る商品は、数千円のサメ肝ポセイドンや皇潤という低単価の健康食品に変えました。昔の、ダイエット食品を一度に何十万も売るのはやめました。※創業から10年はダイエット食品購入者リストを買って電話営業。最初の電話は現状ヒヤリング。次はダイエットの「先生」がアドバイスするフリして20万円分の商品をクロージング。たぶん売り逃げ。詳細はこの連載⑤に。今回の最後に再掲
皇潤は「売ってはいけない」という電話セールスに変えました。まるっきり180度。高齢者ですから。営業のスタイルはこうしましょうと決めたんです。
最初は広告見て注文電話を受けます。そして発送の当日と商品到着日にお電話を一本入れます。これはお客さんの意思で買った後のフォロー電話ですから、違和感ないですね。
何を言うかと言うと「到着しましたか?」「飲み方、こーゆー飲み方がいいですよ」というご挨拶。電話オペレーターが自分を覚えてもらうためと「丁寧な会社だな」という印象を持たせる。
もう一つの目的は、この会社から電話かかってきても売り込みじゃないという安心を植え付けるための電話。
「次の電話は1週間後」と決めているんです。商品がまだなくなるだいぶ前。何故か?
お客は商品を買って持ってるから安心なんです。無くなった頃電話すると、「また売られる」と思うでしょう。ちょっと勘のいい人は。「また上手いこと売るために電話してきた」と。それ辞めようと。
でも購入1週間後に電話をする。ここでは関係性づくり。お客さんと電話オペレーターが自己紹介や雑談お話しできる間柄。
普通のコールセンターでは「1分半の間にこれだけ話してください」と電話の効率を求めるんですけど、うちは一切しない。効率を無視。
話せる機会があったら充分話して。「孫の話」や「旦那さんの話」を聴く。電話オペレーターの〇〇さんは私の話をずっと聞いてくれる。これがエバーライフの強みだとわかった。僕が社長をやっていた時ですが。
もう売る必要はないです。人間関係ができれば。それからは「あー、なんとかさん!」て向こうから名前を呼んでくれる。
これが3回4回続いたら、もう友達。
「もうなくなったから送って」
って。お金に余裕ある人は自分から電話してくれます。こうして電話営業はスタンスを180度変えました。
これで「顧客を第一にします」という社訓通り。お客さんは「あんたんとこ全然営業せんねえ。セールスせんねー」って言われる。
セールスしないほうがお客さんにもいいんですけど、社員にもよかった。社員も、辞めて欲しい人まで辞めなかった。笑笑。売れるから。
でも電話をしないんですよ。電話受注の営業会社なのに。担当者一人当たり1日10本しかしない。それぐらい、何もしなくても売れたんです。
■売れる営業は1ヶ月どれだけ売るんですか?
月に800万円位です。だから年間1億。1人で。机一つで。もうどんなにヘボでも月300万円売ってました。
商品力も良かったと思うんですけども、売らない営業パターンもハマった。だからすごく楽になった。
※あなたの売らずに売れた経験は?
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「皇潤」会社を230億円で売却。ヤバいウラ話 15
■僕の戦略としては、「サメ肝ポセイドン」があって、「皇潤」があって、何があってと、商品がいろいろ出てくると思うんですけど。一番作りたかったのは、そーゆー関係性づくりのできた会社にしたかったんです。お客さんと。
極端な話し、ウチが勧めるものだったら全部買っていただける関係性づくりにしたかった。
何でもいいんです。総合カタログになってもいいんです。もう関係ができてれば。
「お客さんのプロフィールからお孫さんの誕生日まで全部わかっておけば、車まで売れますよ」
と僕は言ってたんです。株も売れますし。関係性さえちゃんとあれば。
それを学んだのはレンタルビデオ屋さんの時。
僕は事前にビデオを観て、良いビデオだけお客さんに勧めた。観たのは冒頭の数分だけ。
沢山見たから、最初のつかみで良し悪し大体わかるようになってました。だから常連客から「面白かった!」とよく言われました。
よそのビデオ屋さんで借りて失敗した人が多かったから、凄く良い関係性ができていました。
だから僕がビデオ屋さん本部が潰れて不動産へ行った時も、僕から不動産を買おうとしましたね。
だから関係性づくりが大事です。
※あなたはお客とどんな関係性を作ってますか?
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■健康食品が売れ始めて思ったのは、やっぱビジネスっていうのは波があって、うまく行く行かないって必ず起きてくる。
当時は銀行さんの評価ですると健康食品は全く低いんです。最低ランク。融資先としては。
まぁそれがありがたかった。見放された業種は皆が気がつかない。
逆に銀行さんとか、そういう堅いところがお墨付きをするともう危ない。産業が成熟している証拠です。
銀行が受け付けないのであれば、大手もやらないんですよね。強いライバルがいない。
※あなたの業界で大手がやらない分野は?
■ライバルが増えてきたのが、皇潤はじめて5-6年頃。「あー、気がつき始めたなぁ」て思った。当時。
製薬会社が来たら、俺はもう会社を辞めようと思ってました。
ビール各社が最初参入して来ました。大手では。それから食品系。味の素だ、キューピーだと大手が。
次は武田薬品とか製薬会社が出してきた。
気がついたんです。ここが市場としてイイと。
あの人達と戦うのはエネルギーいります。なんじゃかんじゃ差し込まれるし。
だから、気がついてなかったのが、僕としては非常に有り難かった。当時ね。だから「気がつくなよ」と思ってた。
でもやっぱり気がついた。
「皇潤」でエバーライフの売り上げは230億とかなって、それから若干伸びましたけど、広告宣伝費は倍かけました。皆さんお馴染みの広告。
あれが大失敗。あれでライバル増やした。「やっちゃいかん」て言ったんです。僕は。
「テレビCMはダメ。東京は絶対ダメ。東京に流したらすぐバレるよ」と。
まぁ全国ネットだったら東京にも流れますよね。わざわざ日本全国、田舎から攻めて。これ戦争ですから。ビジネスは。
こそっと勝ってたの。こそっと勝って、こそっと儲かってたのに。わざわざ「俺、儲かってまっせー!」というCMを始めた。
あれでダダダーって大手が来た。武田薬品が来た。いわんこっちゃない。グワーンと落ちてます。パイ取られますよね。
膝の痛い人は2000万人しかおらんのに。それをみんなで取り合う。それぐらいはわかってほしいんだと思うんだけど、わからないんだよねー。
本当はもっとジンワリやってたら、もう行き渡ったときにはこっちがシェアをとってますから。
差し込むのにね、向こうがものすごくお金をかけないといけないので諦めるんですよ。大体。
あきらめさせないかんのに。それができなかった。
■このテレビCMはエバーライフの会社を売却する年ぐらいから始めました。八千草薫さんとか。
その会議には出てましたが、もう辞める頃だったので、次の社長に任せて、経営にはもう一切口は挟まなくなっていました。会長になって。
何故かと言うと、僕が口を挟んで売り上げが上がると止められないんです。会社を売却するときに。だから2年間黙っていたんです。
まぁ、あのCMで知名度は上がりました。でもホントの経営で言ったらやっちゃいかん。絶対ね。
儲かったら、儲かったふりは絶対にしたらイカン。なるべくね。
今の売り上げはどれぐらいでしょうか。160億位かな。これからもっと落ちると思います。今はLGグループ。韓国の。
※儲かってるけど内緒にしてたことは?
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■ここで皆さんに、まぁビジネスの基本は皆さんご存知だと思うんですけど、とにかくこだわらないかんのは、どうやって新規のお客さんを安く集めることができるか。ここにまず集中ですよね。
そしてその人が、どれだけ長ーく続けられるか。関係が。
この2点しかないんですよ。
それをどうやって作るのかだけ集中する。自分の新規のお客さんを集める方法としてはどれが1番いいのか。
それぞれのビジネスにそれぞれのやり方があると思うんですけど。
うまくいってる同業他社の場合、調査をして真似する。マネするのが早いです。
※あなたはどこをマネしました?マネしたい会社は?
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「皇潤」の会社を230億で売却。ヤバイウラ話16
■顧客が感情移入する広告はどこで学んだんでしょうか?
一番はレンタルビデオ屋をやっていた時。普通、映画を見ると面白いかどうかっていうのは、最初の10分ぐらい見れば大体わかるじゃないですか。なんとなく引き込まれない?
僕は洋画担当だったんですけども、お客さんにビデオを勧める時、2時間の洋画を5本観るとか難しいんですよ。でも最初の10分15分でだめなやつはまず勧められない。
それは何でかって言うと、最初のつかみというところ、何かよく分かんないんですけど、僕は映画監督じゃないけど、その音とか驚きとか。
感情はですね、僕が思うのは、起伏をなるべくたくさん与えると、その人がまぁ正常な判断じゃなくなってくるというか。笑笑笑。感情を上げる下げる。喜怒哀楽。
CM映像で使っているのは、まずユーザーにインタビューをします。
例えば、CMでおばあちゃんが「歩けなかった私も、こうやって歩けるようになったのよ」て言うんですけども、それ本当の、リアルのおばあちゃんだったんです。
だけどそのインタビュー、そこまで行かせるために、長いことずっと好きなことしゃべらせたんです。長回しで。
もう1時間も2時間も、世間話からなんだかんだと。そしてだんだんと自然にしゃべれるようになって出た。それがものすごくリアルだったんです。
最初からそういう風に言わせてないんです。おばあちゃん自身がそこまで来てやっと、気分がほぐれたところで
「おばあちゃんどうやった?」
「私もうね。サメ紐がないと起き上がれなかったんよ。お尻で歩きよったんよ。最初。今、畑に行けるようになったんよ」
で、ポロポロって泣くんです。
泣いて「サメの社長さん。ありがとう」
ってそこで言ったんです。
その映像パーンと撮ったんです。それバカーンと取れたんです。
だからそういうリアル。完全なリアルじゃないとダメだし、それも素人の方がいい。
有名タレントはダメです。タレントはやっぱり自分の芸でやりますから。
だからなるべく感情を動かせるような映像になったかどうか。自分が見てもジーンと来るかどうか。頷けるかどうか。笑えるかどうか。
とにかく、感動させんとダメなんです。
たぶん、いろんなお店も洋服屋さんも食べ物屋さんも、感動させたところだけ成功してるんじゃないかと思うんです。
入った雰囲気からワクワクさせるとか、そういう作りとか、スタッフが非常に細やかで、爽やかとか何か。
そういう感情にさせたところだけ、ビジネスが成功してるような気がするんですよね。
映像もそうです。チラシもそうですけど。それを、どうやったら読んでいるうちに「私もそうやった!」というふうになるかどうか。が肝なんです。
それは幾通りもやり方があるんでしょうけど、そういうプロに丸投げしたら、やっぱりうまくいかなくて。
まぁ実際は社内の制作スタッフがプロに任せるんですけど、こっちも感情を伝えていって作ってもらう。というふうにしました。
だから僕は、ビデオ屋さんで映画を沢山観た時、すごく役に立ったんじゃないかなと思います。
■以上4時間セミナーから30分抜粋。全編ライブ動画は以下
https://qvenshop.com/?pid=71324867