ロイヤルホールディングスは双日と組んで経営立て直しを狙う。「存亡のリスクを考えた」。ロイヤルホールディングスは2月15日、双日などから約240億円の金融支援を受けると発表した。新型コロナウイルスで傷んだ財務の立て直しを図るほか、双日の海外ネットワークを使い将来東南アジアなどでの出店拡大を計画する。
コロナ対応で長引く時短営業に、自宅で食事を済ます巣ごもりシフト――。外食を取り巻く環境がこの1年で一変し、ロイヤルの経営も大打撃を受けた。今回の支援で当面の資金繰りのメドがついただけに、記者会見の席上、ロイヤル会長の菊地唯夫はほっとした表情をみせていた。
「これは尋常ではないな……」。2020年4月に始まった緊急事態宣言は衝撃的だった。主力のロイヤルホストの翌5月の既存店売上高は前年比で半減。その後も毎月同1~2割減で、20年12月期は192億円の営業赤字に転落。もう1年同じ状況が続けば債務超過に陥る可能性があった。
金融機関は20年春に1年限りの融資に応じたが、足元の経営状況は厳しい。貸し渋る可能性は十分にあり、今から動き出さなければ間に合わない――。菊地は20年夏、証券会社を通じて支援先を探し始めた。
同業者は選択肢から外した。「苦境の外食同士が組んでも力不足だ」。外食業界は宅配や持ち帰りが主体になるなど、構造転換を迫られている。新たな事業モデルを築ける相手でなければじり貧になる。
9月、双日が出資に前向きとの連絡が入った。海外ネットワークなどを考えれば絶好の相手だが高い条件を突きつけられた。「株式を2割まで取得したい」。筆頭株主だけでなく、持ち分法適用会社化を求められた。
経営の自由度を考えれば安易に受け入れられる話ではないが、翌月から本格的に交渉に入った。交渉の間も資金流出は続いた。「交渉が遅れていればさらに財務が悪化し、足元を見られていたはずだ」(金融関係者)。時間の猶予はなかった。
「会社は大丈夫でしょうか」。2月中旬、社内説明会である社員がつぶやいた。菊地は「これまでは先の見えない我慢だったが、これからは先の見える我慢だ」と発破をかける。既に希望退職や全体の1割にあたる90店の閉鎖などを発表。早期に双日と新たな収益モデルを示す考えだ。
外食の資金繰りは悪化の一途をたどる。日本フードサービス協会(東京・港)が大手企業主体の加盟外食59社の短期借入金(返済まで1年以内)を調べたところ、20年8~10月に3656億円と半年間で4.6倍に膨らんでいた。
帝国データバンクによると、20年の飲食業の倒産件数は780件と過去最高だった。帝国データは「2度目の緊急事態宣言が致命傷になる。多くの飲食店は運転資金が枯渇しかけており、今春から廃業が急増する可能性がある」と指摘する。5日に首都圏の1都3県の緊急事態宣言の2週間延長が決まるなど、外食にはなお逆風が続く。
「現状ではカネは出せません」。立ち食いステーキで全国的なブームをつくった「いきなり!ステーキ」を手掛けるペッパーフードサービス社長の一瀬邦夫は金融機関の対応に打ちひしがれた。
3月上旬、東京・浅草の雷門にほど近い店舗は集客のピークの昼にもかかわらず、客足はまばらだった。家賃と人件費だけで月200万円以上の費用がかかるだけに、1店舗あたり1日6万円の協力金だけでは補えない。いきなり!ステーキ全体の1月の既存店売上高は前年の6割に沈む。
20年8月に主力のステーキチェーン事業を85億円で売却した。しかし、その資金も減少している。金融機関に新規融資を相談したが、反応はつれなかった。
「ピンチだ」。一瀬は一部社員の不祥事などで何度も経営危機を経験した。その都度立て直し、外食業界で「不死鳥」ともいわれるが、コロナ禍の苦境に厳しい表情を浮かべる。
2月に移動販売車を出したほか、採算改善を図りランチの実質110円値上げに踏み切った。いまのところ効果は限定的だが、一瀬は言う。「このまま終われない」
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